以前、同窓会をした時のこと。すでに40を越えた卒業生の方が、私に言ってくれた言葉です。
私が教師になって最初の教え子さんでした。
当時、教師になったばかりでろくな授業も出来なかった私は、せめて学級通信を一生懸命に書いて保護者とつながろうとおもっていたのでした。
「そんな暇があるなら教材研究しろよ」と今の私ならツッコミをいれたくなりますが、それでも、学級通信という日本の教育界における大切な文化である(と私が信じている)ことについて一生懸命考えて取り組んだことはそれなりに価値のあることであったとも思います。
その学級通信を、わたしはひたすら自分の手描きのカットにこだわって描いていました。カット集から切って貼る(まだコピーは高価で学校では十分に使わせてもらえる時代ではありませんでした)のが一般的な時代、なんだか味気なく思えて必死に手描きをしていたものです。
それはたんなる私のこだわりで、出来上がりはカット集の切り貼りの方がはるかにきれいなわけです。
ところがまさかのタイトルの言葉。
「学級通信の絵を自分で描いてるのか〜」と驚いていたということです。
意外でした。
子どもというのは、そんな風に私達が作ったものを丁寧にみてくれているんですね。
確かに、当時、なにがおもしろいのかわからないけど、学級通信をだしてだして!といってくれていた子どもがいた事を思い出します。
ご家族向けに書いているのに、この子はどうしてこんなに私の通信を読みたがっているんだろう、と当時は不思議に思ってましたが、きっとまだ若いお兄さんのような教師であった私がつくるものにはみんな興味をもってくれていたんだな、と今になってありがたい気持ちでいっぱいになってます。
追記 2014/11/10
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「先生は、学級通信の挿絵を手描きで描いてくれましたね」 | 教師の知的生活ネットワーク
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