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図画工作科の若手の先生たちの指導を頼まれたので行ってきた。

指導のしどころはたくさんあったが、研究が若い人たちに脈々と続いているのがとても嬉しく、また、頼もしく思った会だった。

以前 指導主事をされていた教頭先生が細かく深く指導をされていたが、その中で2点が心に残った。

 ちゃんと自分たちで書いたり作ったりしてみたか?

一つ目は、グルーブ研究として2学期に検証するための授業の題材について、ちゃんと自分たちで描いたり作ったりしてみたのか、という指摘。

それをここに出して私たちに見せながら発表しないと、子どもたちにどんな学習させたいのかがこちらに伝わってこないし、そもそも、自分たち自身、なにをしたいのかがまだ定まっていないのではないか。

そういうことだった。

まず自分でつくってみる、描いてみるというのは題材の解釈をすることであるし、子どもの活動の予想をすることだ。

これをやらないと、図工の教材研究としては話にならない ところが実際には、日々の授業やテストの採点などに追われてなかなかできることではないが、それでも図画工作科の研究というのはそういうことをきちんとやることだ、ということをきっちりと指導してくださっていた。  

教科書を穴のあくほど読む

もう一点は、教科書を穴の開くほど読んだがということだ。

いろんなところで言われていることだが、教科書は最良の資料だ。
「教科書を教えるのではない。教科書で教えるのだ」という、教師ならだれでも習う名言があるが、これを「教科書を重要視するなということ」だと誤解する向きがどの教科でも見られる。

特に図画工作科ではそれが顕著だ。

教科書を元に作った年間計画とは関係なく、何かの雑誌やネットから拾ってきた見栄えの良い絵ができる題材を投げ入れることなどが行われやすい図画工作科では、なかなか教科書が使われない。

  しかし、教科書の作品やキャプションは実は宝の山で、じっと作品をみているだけで解釈や指導の方法についてのヒントがいくらでも出てくる。

また、教科書をみて子どもに話し合わせることで、発想を広げたり、材料集めのヒントが生まれたり、表現方法を思いついたり、など活動を広げ取り深めたりすることができるのだ。

もう一度、指導しようとする題材について、教科書をみながらわかったことを書き出してみなさい、と指導してくださっていた。

  以上二つ。   いつまでも図画工作科の実践家であり続けたいと願う私にとって、実践家としての心構えを再確認させてもらった、ありがたい会だった。  

追記2014年3月31日

これは2011年に書いて下描き保存したままになっていたものを整理していて発掘したものです。手を加えて公開しました。

さらに追記2014年10月28日

「教師の知的生活ネットワーク」に書かれた記事をこちらに移動してきました。