nikoniko1

今晩は!Lyustyleです。 

今日は、退勤処理の後に職場に残って勉強をしていたら、読んでいた本の中でこのような文言に出会いました。
「教師が説教したり、叱ったりして忘れ物がなくなるでしょうか。それはなかなかの難問です。かえって借りに来ることさえあきらめてしまうようになる子供もいます」
通常学級で使える「特別支援教育ハンドブック」という本です。

近頃は特別支援教育をしっかり学ばなければと思い、基本的な本を求めて読んでいるのですが、その中にあった文です。 むらむらと何かかかなきゃという気持ちになりましたので、今日はこんなことを書いてみたいと思います。

忘れ物をした子どもをしからないで済む「忘れ物カード」

忘れ物をして困っているのに、なぜ忘れ物をするのかを考えてしまいがちな私達

教師は、子供が忘れ物をすると「大変だ。何とかしなければ」と思います。
そしてつい忘れ物する根源を断とうとあせり、「叱る」ことで忘れ物をしないようにしようという気持ちを持たせようとすることがよくあります。(私も)

ところが、忘れ物をしたその時に必要なことは、とりあえずものを準備させてその時間の学習が困らないようにしてやることです。忘れ物がなくならない、ということと、その時間にものがないことで学習に支障をきたしていることとは別問題なのです。

それをどうしても教師は「困るのは、忘れ物をなくそうと努力しないからだ」という考えに支配されてしまって、ついお説教をしてしまうのです。
せっかく忘れました、と言いに来たのに。 (私も)

今必要なことは、学習に困らないように忘れたものを借りてこさせることです。そのために「忘れました」と自分から言ってこさせること、そして学習が始まる前にものを準備させておくことが必要です。

忘れ物をなくさせるための取り組みは、その時間に行うことではなく、学習後や放課後などに行うべきことなのです。

これがなかなかできず、せっかく勇気を出して来た子に説教し始めてしまう。

「何度も繰り返される」ことに対するいらだちでしょうか。
「あれだけ毎日貸してあげているのにまったく忘れ物をなくそうとしない。これは私が毎日最終的には貸してあげているから甘えているのだ。もう貸さないぞ!」というような心境になることもあります。

こうやって説教されると、冒頭にあったように子どもは「忘れました」といって借りにいくことをあきらめるようになるでしょう。あとで見つかっておこられても同じこと。

あきらめる子どもをつくらない忘れ物カード

しかし、これをふせぐ方法があります。 わたしが行ってきた「わすれものカード」です。
つくって20年以上になるでしょうか。 これをつくってからわたしは忘れ物で子供を説教することがなくなりました。 カード自体はいたって簡単。よくあるこんなカードです。   wasure

その学期、初めて忘れものをした子供にカードをわたします。

「月日」があります。「宿・もの」というのは、宿題忘れか、ものを忘れたのか、ということ。 よくあるカードです。

しかしここからがちがいます。 一番右に「何回目」かという欄があるんです。

子供がカードをもってきたら、「はい」といってすぐににカードを返します。 その時にこの「何回目」を見るのです。そうすれば「何度も繰り返している子か」それとも「今日はじめてその教科のものを忘れたのか」が一目でわかるのです。

このカードをつかっていなかった頃は、学習の始まりに子供がずらっとならんで「○○わすれました」というのを「わかった。」「はい」「次は忘れるな」と指導をし、授業をはじめていました。

ところが時にはたくさんの子が忘れて列が長くなることがあります。
10人くらいになってくるとだんだん腹がたってきて「なんだ!」などと声をはりあげてしまうようなことがあったのです。

普段から忘れている子は慣れていて要領がいいのでなるべく早く言いに来ます。
しかし列の後のほうにくる子たちは往々にしてむしろ普段あまりものを忘れない子たちであることが多かったのです。

よく忘れる子には叱らず、あまり忘れない子たちを叱ってしまう。

このことの反省から、わたしは忘れ物カードをつくり、「何回目」という欄をいれました。

これで、毎回忘れる子とめったに忘れない子がすぐにわかるようになり、理不尽な叱り方をせずともよくなりました。

また、よく忘れる子も、なんでもかんでも忘れるわけではなく、国語の教科書ばかり何度も忘れるとか、今日忘れた算数のノートは実は初めてだったとかそういうこともわかります。
だから、初めて忘れた算数のノートの時には「今度は忘れないようにね」と冷静にいうことができるのです。

このカードは子供にとってもいい。 さすがに回数のところに「4」と書かなければならない子は、こりゃなんとかしないといけないぞ、と自分で自覚するようになります。
自分がこの忘れ物をしやすいことが「見える」ようになるからです。 「回数」を書くという工夫だけで、子供たちとの学習が自然に進んでいくようになりました。 こうして「忘れました」と言いにくることをあきらめさせるようなことはなくなったといえます。  

むしろほめることさえできる忘れ物カードの運用

さらに、一言。私はこのカードを持ってくるときに、すでに友達に借りたものも添えてもってくるようにさせていました。

そして「先生。教科書、忘れました。でもとなりのクラスの子に借りてきました!」そういって、すでに借りてある教科書といっしょにカードを持ってこさせるのです。
これでその子は勉強に困らないし、「よし、ちゃんと借りてきたね」とほめることさえできるのでした。

さらにもうひとつ。

  最初に「その学期、初めて忘れものをした子供にカードをわたします。」と書きました。 javascript:void(0)

そうです。1学期が終わってこのカードをもたないままの子どももいるのです。

そんな子たちは手放しでほめました。 何とか最後までカードをもらわないで済ませようと一生懸命に準備をする子どももいました。

でも、6月になって初めてノートを忘れ、残念そうな顔でカードを貰いに来る子どものかわいらしい顔。

時々リセット

それでも、学期が変わったらリセットです。全員リセット。まったくゼロから開始です。

  今日はそんなことを思い出しました。  

追記

続きを書きました!

その2【教育現場の工夫】忘れ物をした子どもをしからないで済む「忘れ物カード」のふたつの秘密 | 教師の知的生活ネットワーク





追記 2014/11/28

この記事は、知的生活ネットワークより、こちらへ移動してきたものです。
  【教育現場の工夫】忘れ物をした子どもをしからないで済む「忘れ物カード」 | 教師の知的生活ネットワーク
こちらから移転してきました