ニュースサイトを見ていて残念なニュース。
財務省の教職員削減案。

教職員削減の財務省案、文科省が反発「暴論だ」 (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

実に残念としか言いようがありません。
国家百年の大計であるから,次世代の優秀な国民を育成するためにお金を湯水のごとく使いなさい!などとは言いません。
しかし,少子化だからその分減らせる,という財務省の削減案は,義家副大臣がいうように現場を知らない人間の暴言だと思います。


生活の格差に伴う,学力の格差
特別支援が必要な子どもの増加
英語の教科化による授業時数の増加

現在,現場の教師には勤務時間内に明日の授業の準備をする時間がありません。
4時まで授業です。
5時までで何ができるでしょうか。簡単な理屈です。翌日6時間分の授業の準備にはそれ以上の時間がかかるのです。
たった1時間でできはしません。

これを1時間でやろうとおもったらどうなるか。
5時になるまでやれるだけやって,
あとは,これまでの経験で,翌日子どもたちを前に初めて教科書を開いて,子どもたちに読ませている間に,ちょちょいと発問を考え,流れを考えてそれなりに長年鍛えた「プロの技」で「一応」授業を進めるのです。
テストが悪かろうがどうしようが,するべきことはした。
教科書の進度を確実に進めておかなければアウトですから,計画のところまで進めるだけは進めます。
これで形としてはOKです。

定時で帰ろうと思ったらそんなことしかできないのですよ。
簡単な理屈ではないですか。
教師には,「準備の時間」がいるのです。
それをこれまでの教師は必死になってやってきました。
遅くまで職員室で準備をしようと思っても,近頃は近所の目も厳しい。
光熱費の無駄遣いだ!と学校に電話がかかってくる時代です。
また,残業自体,教育委員会からよい顔をされません。
ですから,家に持って帰って,夜中まで教材研究をつづけるのです。
多くの教師はそういう生活をしているのです。

でも,ここに,理科や,家庭科,体育や英語を教える専門の教師がいたらどうでしょうか。
その時間は職員室で授業の準備や評価に使えるのです。
そうすれば,授業の質を落とさずに,定時で帰ることもできるでしょう。
その時間に,支援が必要な子どもにつくこともできるでしょう。
じっくりと話し相手になってやることもできるかもしれません。

これでやっと授業に質が保たれていくのです。
子どもが減るならむしろ好機。
これまでの人員を余裕ある教育のために使うという選択へ向けて教育行政をすすめることができそうなものです。
余裕が質を生みます。
現場に余裕を。
いや,「定時で帰ることができる」というスタンダードを。