3回目。「教室ツーウェイNEXT創刊2号」からです。
 

P24に、ベリー就学前教育についての紹介があります。学力の経済学で有名になった話ですね。
 

ベリー就学前教育というのは、低所得のアフリカ系米国人の3~4歳の子どもたちに,質の高い就学前教育を提供し、その後の子どもの成長について追跡調査したものです。
 

これを受けた群は,40歳の時点で,学歴,収入,持ち家率が高く,生活保護受給率も低いということがわかっています。
 

しかしIQは最初こそ受けた群の方がたかかったが,8歳くらいではほとんど差がなくなっており、このプログラムは8歳くらいまでの学力を高めるには効果的ではあったにしても、それは長続きするものではなかったこともはっきりしています。
 

では、40歳での生活の差を生んだのは何かというと、それが非認知能力の育成でした。
 

ペリー幼稚園プログラムでは,自主的,能動的な集団での学びが行われ,そこで「興味・関心」「協調性」「自制心」「社交性」などの非認知能力が育成されていたのです。
 

単に、知識を学ぶと言うことだけでなく、人とのかかわりの中で、育成される能力。これがあったかなかったかということが、40歳の時点での差になったわけで、非認知能力をたかめることはとても大切、ということがこれもよくわかります。
 

記事中,「学び合い」についての誤認識が見られるようです。
一方的な教え合いと書かれていますが、いわゆる「学び合い」は決してそうではなく、むしろ一方的に教えることをよくないこととしているものです。
その点が気になりました。