入学式翌日の朝

教室の入り口に座って,子どもたち待っている。教室まで来れるだろうかと心配していたが,ちゃんと上級生が手をひぱってきてくれたり,自分でたどり着いたりした。


一人,隣の学級に入り,ロッカーにランドセルや手提げ袋を閉まっていた子がいて,となりのT先生が連れてきてくださった。無理もないと思う。遠くのバス折り場からここにたどり着いただけでも立派だ。


ロッカーを教え,ランドセルを入れさせた。どの子も借りてきた猫のようにちょこんと腰かけている。

「席を立ってお友達同士でお話をしてもいいんだよ。」
えっという顔つき。
「私の耳を引っ張りに来てもいいんだよ」
「はな,つまみにきてもいいんだよ。」

ようやくほっとした空気が流れるが,まだ緊張。私に触りに来る子はまだいない。

初めての授業

初めての授業は,教科書の記名調べによって私の指示になれさせること。
「自分の棚からランドセルをもってきて机の上に置き,手を膝の上に置いていましょう」が,この子たちへの記念すべき最初の指示である。
混雑が予想されたので列ごとに行かせた。

全員が終わるのに5分。
「ランドセルを持ってくる」ことはできたが「手を膝に置く」ことができた子は女の子2名だけ。
この2名も皆が終わるまでまっていることはできなかった。

当然無理もない。

教科書だけ机の上に出させてから,
「ランドセルを自分の棚に返してきてから,手を膝の上に置いていましょう」という二つ目の指示。
今度は男の子4名,女の子3名ができた。


靴箱の使い方,並び方

靴箱の使い方,並び方をした。

並び方は手を変え品を変え,4時間目までかなりしつこくやった。

・先生のところにきて並びましょう。
・前の人と後ろの人の顔を覚えましょう。
・早く並ぶ競争をしましょう
・静かに並ぶ競争をしましょう。
・今度は赤いボールのところへ行って並びましょう。
・輪投げのある所へ行って並びましょう。

~外へ出て~ 

・滑り台にタッチして戻ってきて並びましょう。
・タイヤにタッチしてから並びましょう。
・滑り台を滑ってきてから並びましょう。

・・・・とこれだけやってもまだ並ぶ位置を覚えない子がいて,私はとても感動した。


先生,早くお勉強しようよう」とつつかれどうしの一日 
「先生,あと何分したらお勉強?」
「先生,お絵かきしたいよう」
「あ!うんちっちだ!」
「うんちっちだ!うんちっちだ!」


大きな声は全く出していないのにのどが破れそうに痛い。なぜか?それほどしゃべりまくったのでしょう。

教科書の記名,ありがとうございました。一つ一つ丁寧に書いてあり,おうちの方々の期待も伝わってきました。


編集後記

私がまだ33歳の時の学級通信です。その年,私は初めて1年生を受け持たせてもらいました。
その感動から,ほぼ毎日子どもたちの様子を通信し続けました。
この通信には,1年生という発達段階にある人たちがどのような存在であるのか学び,,そしてどのように育てていったらいいのか,ということについて考えて真摯に取り組んだあとがつづられています。
これから,しばらくの間,この「Lyustyleの教育ちゃんねる」のメインコンテンツとして,抜き書きをして掲載したいと考えています。
初めて1年生担任をされた方の参考になればと思います。
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