本格的なお勉強

4月19日

早く勉強したくてたまらない子どもたちである。
H君などは「先生あと何分したらお勉強ですか?」と迫る。
Iくんは、休み時間になると「お絵かきする」と言っては紙を持っていき、何やら難しい「x」とか「=」(などの記号や数字の入った数式を書いては私の机上に起き、デモンストレーションをしている。


そのようにして待ちに待った最初の授業、1993年1月15日木曜日。国語の授業である。


まず机の上に教科書を出させ、両膝の上に置かせた。皆早く中を見たかってうずうずしている。十分じらしてから元のページを見せた。


「春の朝」とだけ書いてある。これで1時間。


ここでやるのは、絵を見てどんなものがあるか、何をしているのか、どんな様子なのかお話をすること。


まずどんなものがあるのかを見つけさせるために「見つけた遊び」をした。

担任が「見いつけた。見いつけた。」と言う。子どもたちが「何を見つけた。」と答える。担任が「うさぎ!」と言うとぱっとウサギを指差す、と言う具合である。

子どもたちはこの遊びをとても喜んでいるようだった。


その後「〇〇があります」とか「〇〇がいます」など言わせた。


これが彼らにとって初めての国語の授業だった。


ところで終わった後、Kくんが「今日はお勉強しなかったね。まだしないの」と言ったのには参った。

早くノートに書く「本格的な勉強」がしたいのだなと思った。
この意欲を摘まないようにしたいものだと思う。

すごい

「なぜ、今秋なのに「春の朝」なんだろうね」

「先生、今,日本は春だからだよ」

「へえ。日本とオーストラリアは季節が逆なんだね」


1人の女の子が叫んだ。

「先生知ってます!逆なんだよ!オーストラリアが晴れの時日本は雨なの!」

んとね


…知らなかった…。

これもすごい

視力検査の時、検査を受けている子どもと一緒に,待っている子どもが一斉に検査表を見ながら「上」とか「右」とか言うさしている頭を想像してください。

私はこの目で本当に見ました。


検査後、ある女の子が「先生、この辺をさしてくれたらよかったのに。」と言ってきた。

「なぜ?」

「だって私、この辺ならちゃんと覚えてたのに。」

これもすごい。


編集後記

初めての一年生は驚くことがいっぱいです。

毎日,目を皿のようにして,一年生のすごいところを見つめていました。

学級通信が笑い話のお披露目場のようでした。