Lyustyleの教育ちゃんねる

2017年06月

若い頃から、子どもに直球でビシッとわかりやすく指示を出すことを大切にしてきました。


でも、同時に、より子どもをワクワクさせる指示も大事にしてきました。

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1年生にこちらを向かせるときは、どのようにいうといいのでしょうか。


「こちらを向きなさい」という指示は,実にスッキリしています。


しかし,こんなにはっきりした指示でも,1年生の中には反応できない子どももいます。


まだ教科書の絵を見るのに夢中になっていたり,書き終わっていなくてまだ書いていたかったり,そのような行動に折り合いをつけて,さっとやめて教師の方を向く。これがなかなかできません。


「こちらを向け」というのは,教師の勝手であって,子どもにとってみれば,「なんで,今楽しいことをしているのにそれを中断させるんだ。邪魔しないでくれ」と言いたいでしょう。それはそれなりに分がありそうです。


しかし,授業の流れの中で,次の指示を与えて先に進まなければなりませんから,教師はこちらを向いてない子どもを注意したり叱ったりするのです。


「こちらを向きなさいって言ったでしょう」とか「こっちを向くまでじっと待ってるよ」とか,そんなことを言って。



では,「きれいな目を私に見せてください」と言ったらどうでしょう。


「こちらを向きなさい」とは明確に違いますよね。


「先生がわたしのきれいな目を見たがってる。みせてあげたい!」という内発的動機による行動になります。


同じ「こちらをむく」という行動ですが,外発的であるか内発的であるかという違いが出てきます。

子どもをこちらに向かせたい時、「こちらを向きなさい」というか、「きれいな目を私に見せてください」というか。



私は,どちらかというと,子どもの内発的な動機による行動を促したいと思っているのです。


絵の具の筆遣いの指導をするとき,「筆を紙に押し付けて書いてはいけません」というか,「筆が痛がっているね。」というか。


廊下をぺちゃくちゃしゃべりながら歩いている子どもに,「静かに歩きなさい」というか「しゃべっていることに気づいているかな?」というか。


日々,そのような指示を考え,見直すことができるのが,教師としてのやりがいであり,楽しさだなあと思います。


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4月21日

ネクタイ


 体育が終わった後、6人の子のネクタイを締めてやった。
 初めての経験である。昨年はまさか自分がネクタイを締めてあげるなんて考えもしなかった。

 ネクタイを締めている間は、子供の目の高さにいる。子供が見ている世界はなんと低いことかと思う。

 しめてやっていると、一生懸命覚えようとしている。こういうことを一つ一つ積み重ねることでこのからは成長していくのだと思う。

 女の子はこの前の身体測定の時、3人が「手が届かないから制服脱がせてください」と言って万歳をして待っていたが、今日は何とか自分で脱いでいた。
 また女の子でベルトがしめられない子がいてやってあげたが、今日は私のところに来たものの、自分でやってみたらできた。

シャツのはみ出し


 男の子の得意技である。
 大体男と言うものは大人も含めてだらしないものであるが、そうとばかりも言っておれないので一応指導している。

 こんなの「指導」と呼べるかどうかはわからないが、『シャツがはみ出ている子はお外に行ったらイカン。』と言っている。
 だからおしっこに行きたいときは慌ててシャツをズボンの中に押し込んでいる姿が見られる。(帰ってくるとまたはみ出ている)
 これにも常連がいるが、本人の名誉のため、名は秘す。

 なぜシャツをすぐに出すのか尋ねたところ、「そのほうが気持ちいいもん。」との答えが返ってきた。

 ごもっともではあるがでもやはりシャツがはみ出ている子は外に遊びに行かせない。

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今回は「学力の経済学」からです。

「学力」の経済学
中室 牧子
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015-06-18



私たちは以前から、自尊心と学力には関係があると言うことは経験的にわかっていました。学力が高い子は自尊心が高いことが多いので、子どもの自尊心を高めようと子どもを褒めたり、成功体験を積み重ねさせたりといったことをよくやっていました。


ところが科学的根拠という視点から見ると、このふたつは相関関係はあるが、決して自尊心が高まると学力が高くなるという因果関係にあるわけではないことがわかりました。


「自尊心と学力の関係はあくまで相関関係にすぎず,因果関係は逆である。つまり学力が高いという「原因」が,自尊心が高いという「結果」をもたらしているのだ。46」


学力が上がるから自尊心があがるのだということが科学的根拠を持って示されました。

私たちがうすうす思っていたことは間違いであることがはっきりしたわけです。


最初にこれを読んだときには驚きました。しかし、科学的根拠があることであるから受け入れざるを得ません。


私たちは、子どもの学力を高めるためには他の方法を探さなければならなくなりました。


しかし、子ども達が生き抜いていくために必要な自尊心は、学力を高めれば高まるのです。それがはっきりしたということは大きな事です。「学力の向上」を目の色を変えて達成しようとしている私たちにとって、それは単に点数が上がるのだというだけでなう、その子どもの未来にかかわる大切な資質を高めることになるのだということがわかったからです。


もうひとつ、おそろしいことが述べられています。

それは、

「悪い成績を取った学生に対して自尊心を高めるような介入を行うと,悪い成績をとったという事実を反省する機会を奪うだけでなく,自分に対して根拠のない自信を持った人にしてしまう 48」


ということです。


「君はもともとできる子なんだから・・・」というようなことを言うと言うことは、負の結果を生んでしまうということです。

自尊心を高めれば学力が上がるどころか、学力を下げることもあるというのです。


子ども達に根拠のない自信を持たせるということは子ども達のためにならないばかりか帰って負の効果をもたらしてしまう。


悪い成績には、よかれと思って自信をつけさせるために励まそうとするのではなく、事実を知らせた上、具体的な改善点と努力のしかたを述べるということが必要だと言うことですね。

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