Lyustyleの教育ちゃんねる

カテゴリ: 1年生との付き合い方

修行の旅その2

今日も最初の10分間を使って修行の旅を行った。


今日で2回目であるが、こういう時でも「この前言ったようにやりなさい」てはいけない。もう一度ちゃんとやり方を見せてやらなければ,決まってどうやっていいかわからない子どもが出てくる。
したがって、聞いてあげる人は「目と口の形をしっかり見る」ということをもう一度演じながら教えてあげる。


「おともだちかあど」にまた丸がついていない友達を見つけて聞いてもらうように指示。修行の旅が始まった。


あれだけ演じて見せてもまだわからない子どもがいるのでさすがに1年生の指導は奥が深いと感心する。
友達をつかまえては、「聞いてください」ではなくて自分が聞いているのである。つまり、友達をつかまえて読ませているわけである。


TヒロくんとKすけ君が、友達の話を聞いてあげるときに「口と目が見えないよ」と言って教科書を少し下げてあげているのを見た。ちゃんと目や口を見てあげていることがわかる。後で大いにほめた。


R奈さんが、HあきくんとKすけ君から「聞いてくだされ。」と言われていた。「じゃんけんしてね」と言っていた。モテるんだなぁ。ああ、そういう問題じゃないか。


「友達の読み方、いいなぁと思った人いますか?」と問うと、ぱっと手が上がる。

Kすけ君は、G太君の読み方がいいと言った。
G太君に読んでもらった。
なんともこわれてしまいそうにくしゃくしゃになった笑顔で一生懸命に読んだ。
この日、G太君は大活躍で、その後、K二くんからも読み方が良かったと褒められるのである。T朗君がMさんを推薦。とてもはっきりと読めた。

T弘くんはRさんを推薦。大きな声で読めた。


その後、「自分もうまいんですよ!と言う人、手を挙げてください」と言うと、Tひろ君、Kすけ君、K二くんが手を挙げた。一人一人読んでもらった。



2回の授業で、「あさだよ あつまれ あいうえお」を口の形に気をつけて読めるようになった。

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ただ、はっきりと発音すると言うことに力を入れているので「あ・さ・だ・よ・あ・つ・ま・れ」という読み方になっている子どもがいる。今はこれでいいとしたい。


流暢に読むこととはっきり読むと言うことを両立させることがなかなか難しいだろうと思われる。無理をさせない。できる子もいる。


「あいうえお」を「アイエオ」と読む子どももいる。
口の形がまだはっきりとできていない。
この子どもたちは、一文字一文字が読めるが、文になるとつかえている。
だから、「あいうえお」などのように、もう知っているまとまりに来ると安心してついさっと読んでしまい、「アイエオ」となっているようである。


ゆっくり読ませることも大事だ。

「い」の字を書いて持っていらっしゃい〜書くことの指導の始まり

入学する前から多くの子どもがひらがなを大体読めるようになっている。
このクラスの子どもたちについてもアンケート結果から同じことが言える。


書くことについてはこのクラスは全員が大体のひらがなを書ける。自分の名前は全員が書ける。(きゃ、っ、ぷなどを除いて)


では、私がする事は何か。


「ひらがなの書き方知っている!」と思っている子どもを、「あら、やはり知らなかった」というの状態に連れて行ってあげること、すなわち、スタートラインに立たせることである。


うちの子どももそうであるが、今の子どもたちは入学するはるか前から自分の思ってることを文字を使って表したいと言う意欲を持っている。
そして、「『あ』の字はどう書くの?」と聞いて教えてもらったり、見よう見まねで覚えたりしてきている。自然な姿である。


この段階(入学前)ではことさら「書き順が違う」とか「逆さま」だとかは言わなくてもいいと思っている。

なぜなら、子どもたちは,文字を書ける力をつけようと思って文字を覚えていると言うよりは、文字で遊んでいると言う方が当たっている段階だからだ。
書き順が違おうが、字形がおかしかろうが、鏡字であろうが、文字を書いて楽しみ、満足しているのである。


きちんとした字形を教え、書き順を教え、そして文字をつなげて文に、文をつなげて文章にしていくことができるようにしていかねばならないのはこれからである。


だから、「知ってる!」という子どもを「知ってると思ってたけど、ちゃんと覚えよう」とスタートラインに立たせなければならない。

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たんけん!ぼくのがっこう

「ぼく」の学校などとかくと、女子がおこるが,近頃は「ぼく」と言う女性もいるからいいだろう。
先日は,名前のところに「わたしのなまえ」と書いていると、男子が「わたしって書いてある!」と言っておこるので、「人間は結局私と言うようになるからこれでいいのだ」と言った。

だからこれでおあいこである。


題名からずれるが、私は「男子だから」「女子だから」と言うのをあまりやらない。


出席をとる時にも「今日は女子から。」「今日は男子から。」とよくやる。もう5, 6年位やっている。「いつも男からばっかりじゃ、女子が受け身になってしまうんじゃ…」と漠然と思ったのが最初だと思う。


放っておくと、「女子は男子の後」と言う観念が身に付いていく。
昨年、3年を担任していた時,体育の時間が終わってから、ある女の子が「私のチームではいつも男子が先、女子が後ろに並んでいて、意見がいいにくいことがあります。私が言っても男子が聞いてくれないので何とか言ってください」と訴えてきたことがある。
こういうことが言えることが大事なのだと思う。

高学年を担任してから「女子からね」などとやると、「男子の方が先だよ!」と言われることがある。どちらもそんなものだと思っているのである。

たんけん!ぼくのがっこう2

とんだ、道草をくってしまった。


生活科で、学校探検をした。
今日はみんなで並んで、いろいろな教室を見て回った。


はじめに「においいをかいできなさい」と言った。


まず、1番近い事務室、電話やコンピューター、多くの種類の山などに驚いていた。


次に保健室。ついこの間、目の検査をしたところだ。

「ここ、知ってる!」とばかりにワッと散らばる。

H君がそこにあった体重計に乗ってみる。
Kさんが目の検査に使った表のスイッチを押し、「電気がついた!」とはしゃぐ。
Sくんが早速目当てを取り、左目を隠して「右」「左」などとやり始める。

H君が薬のびんや応急処置の道具の入った箱に手を伸ばしそうになるので「あっ」と声をかけようと思ったが、やめた。
見てると、伸ばした手を引っ込めた。いけないと思ったのだろう。


校長室では小さな会をやっていた。
いかに校長先生がにこっとして見せても子どもたちはカチンカチンであった。


放送室、職員室、印刷室、図工室。
それぞれのにおいをかいで、次にやってきたのが理科室。


ここほど話題になる部屋は、学校の中でそうないであろう。

においは他の部屋と比べ物にならないほど印象深い。また、いろいろなおもちゃ(ではなく、ビーカーや試験管)がある。
自分たちの机とは桁違いの大きな机。
そしてなんとガスの栓や水道の蛇口までついているから大騒ぎである。


そしてお待ちかねの骸骨。


ちゃんとある。


「これは先生が6歳の時のが骸骨だよ。」
などととんでもないことを、つい言ってしまいたくなる理科室である。

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「先生うその骸骨でしょう。だって糸でつってある。」「
そうだよー。夜になると骸骨おどりをするから糸でつってあるんだ。」
「うそだ~」

ここでちゃんと「うそだよ~」と言っておかないと便所にいけなくなる子がいるので注意しなくてはならない。

「なんだ。やっぱりうそか。ホントだったらどうしようと思った。」
やはり、嘘だと言っていてよかった…。


それから兄ちゃん、姉ちゃんの部屋に行って教室の中までぞろぞろ入り、授業の邪魔を、ではなく、見学をしてきた。


1年生と言うだけで、学校は大概のことを許してくれるので、とても良い。


この後6時間目にはまたグループで回らせた。
4年2組や音楽室に入れてもらった子どもたちもいる。


H君のグループは「うらがわのおそと」に行ったと言う。
「お水が流れてて、水がボワーと出てた」らしい。

「フーカイプール(注 深いプール)」もあったと言う。
「すーごいとこだった」と言うことだ。下水の施設のことである。

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張り切る

今日は体力が回復してから初めての授業であるから、いつになく張り切って学校に行った。
国語などは,昨日の夜教科書の写真を画用紙に書き、息子まで動員して色を塗るなどのはりきるよう。


今日の授業は、「あ」「い」「う」のそれぞれの歌をあの手この手を使ってできるだけ読ませることである。


いつもは教師→子どもの読みの後、男子だけ、女子だけ、立って読む、黒板の前に行って読む、1列だけ読む、1番前の人が読む。立って3回読んだら座る、などの読ませ方をした後、私のところに来させて一人ひとりの読みを確かめる。


今日はほんのちょっぴり面白いことをさせてみたかった。それで先日名刺の交換会をしたことをヒントに音読の修行の旅に出させることにした。

修行の旅とは?

修行の旅とは何か???


子どもたち全員に「お友達カード」を持たせる。これは全員のお友達の名前が書いてあると言うだけの優れたカードである。
これと鉛筆、そして教科書を持って教室中を巡り友達を捕まえては、「私の読みを聞いてくだされ」と言って聞いてもらうのである。
聞いてもらった人が「よかろう」と言えば、お友達カードの中のその友達の名前に◯をつけることができる。


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このようにして5人の友達に丸をつけてもらいなさい、と言う指令を出した。


くだらないと思うなかれ。子どもたちはこういうことにすごく燃えるのだ。普段以上の力を出して読む。あちこちで「聞いて下され」という声が響き渡る。


1つ、失敗した。

簡単な歌であるので、すぐに子供たちは暗唱してしまっている。読まずにそらで言っているのだ。これでは字を読んだことにならない。


「う」の歌で修行の旅に出るときに2つ指示を出した。

「聞いてあげる人は、読む人がはっきりとした口の形で読んでいるかどうか口の形をよく見てください。それから字を追って読んでいるかどうか目を見てください。それらが良ければ丸をあげてください。」


もう一つ。これが大事。

「今度はさっき丸をもらわなかった人からもらいましょう」

友達おぼえも兼ねているのである。


これはとても楽しそうに読めた。自然に口の形に気をつけて読むことができていた。


今日も少しやった。


お家の方が聞いてくれたら、子供達は喜ぶだろう。

ほめる

Tさんが、「先生、Aくん。すごいんだよ!口をこんなに開けて読んでるんだよ!」と言うので、手放しでほめる。


「先生は今日、とても嬉しいことがありました。なんでしょう?((散々じらしたあげく)TさんがAくんの読み方がすごいよって先生の所に家に来てくれたことです。先生はTさんが友達の良いところを見つける目を持っていることが、とてもすばらしいと思います」と言った。


それで早速Tさんのように友達の良いところを見つけた人がいるかどうか聞いた。


そうすると、いるのだ。これが。ほとんどが手を挙げるのである。「僕だって!」と言うわけである。


さすが1年生のパワー。

ほめがいがある。

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1年生の子どもたちが,いったいどのくらい文字についての能力をもっているのか,そしてこれまでの成長の中でどのようにそれを獲得してきたのか,ということについて保護者にアンケートをとり,その結果を掲載したものです。

IMG_1736 (編集済み)


1年生言語能力についてのアンケート

アンケートのご協力ありがとうございました


1年生担任初めての私にとって、子供たちがどの程度の言語能力を持って入学してくるかを知っておく事は、とても大切なことでした。


教科書は,文字について読めない,書けないはずとの前提で作ってありますが、テレビや雑誌等からの文字情報の多さの中にあって、入学まで全く読みも書けもしないと言うことは信じがたいことではありました。今回の調査でそれを確かめることができました。


つまり…

ひらがなは、ほぼ読める。

ただし、書くことについては、鏡文字があったり書き順がデタラメであったり、のばす音やつまる音を書けなかったりなど十分では無い。

と言う傾向があることがわかりました。

さてこの上に指導を組み立てるにあたり…

このアンケートの結果は1の2における実態であり、逆にここから「入学までにはひらがなくらいはあらかた読めるようにさせておかねばならない。」と言うように考えられると困ります。


これらの結果は、意図的なひらがな教育によるもの、と言うよりは、豊富な文字情報の中でここまで育ってきた子どもたちの自然の実態であると考えられるからです。


このことを前置きしておきます。



さて子供たちはほぼ読めるから、読み方はすっ飛ばしてぽんぽん読ませたり、書き方の指導のほうに行っちゃうかというとそういう風には考えておりません。


ほとんどの子どもたちがほぼ読めると言う実態を念頭に置きつつ、なお、一つ一つの読み方を大切に教えます。


それは長い伝統を持つひらがなの文化を大事に伝える、ということと、もう一つ『正しい口型で発音する』と言う、1年生で身に付けさせるべき重要な言語事項の内容があるからです。

「あ」の読み方、知ってるよ,だけでなく、正しい光景で発音できてこそ、音読や発表会への力となって育っていくからです。


「書くこと」についても、ただ形がきれいに書けるだけでなく、書き順をしっかり抑えて丁寧に教えていきたいと思います。


楽しく。

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4月21日

ネクタイ


 体育が終わった後、6人の子のネクタイを締めてやった。
 初めての経験である。昨年はまさか自分がネクタイを締めてあげるなんて考えもしなかった。

 ネクタイを締めている間は、子供の目の高さにいる。子供が見ている世界はなんと低いことかと思う。

 しめてやっていると、一生懸命覚えようとしている。こういうことを一つ一つ積み重ねることでこのからは成長していくのだと思う。

 女の子はこの前の身体測定の時、3人が「手が届かないから制服脱がせてください」と言って万歳をして待っていたが、今日は何とか自分で脱いでいた。
 また女の子でベルトがしめられない子がいてやってあげたが、今日は私のところに来たものの、自分でやってみたらできた。

シャツのはみ出し


 男の子の得意技である。
 大体男と言うものは大人も含めてだらしないものであるが、そうとばかりも言っておれないので一応指導している。

 こんなの「指導」と呼べるかどうかはわからないが、『シャツがはみ出ている子はお外に行ったらイカン。』と言っている。
 だからおしっこに行きたいときは慌ててシャツをズボンの中に押し込んでいる姿が見られる。(帰ってくるとまたはみ出ている)
 これにも常連がいるが、本人の名誉のため、名は秘す。

 なぜシャツをすぐに出すのか尋ねたところ、「そのほうが気持ちいいもん。」との答えが返ってきた。

 ごもっともではあるがでもやはりシャツがはみ出ている子は外に遊びに行かせない。

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4月20日

おしっこ!!

 授業中、おしっこがしたくなったら、我慢せずにすぐ私のところに行ってくるように言ってある。そうでないと漏らしてしまうことがある。
 休み時間にまずおしっこにちゃんと行かせるように心がけているのだが、それでも45分持たない子も結構いる。


 とにかくよくおしっこに行く。

 たくさんおしっこしてどんどん大きくなれ!!

だって読みたいんだもん!

 国語。
 黒板に「はるのあさ  ひかりのなか はしれ」と1枚に一文字ずつ書いたひらがなカードを貼り,読ませた。


 はじめは、カード1枚ずつ見せて読ませていた。
 一人一人が怪しくてもみんなで読む声は同じ位の大きさで響いている。
 ぱっと読めなかった事は「な」位のものであった。

 驚いた。
 就学前ひらがな教育が意図的にせよ無意図にせよかなり行われていることを感じた。


 次に一人ひとりに当てて読ませた。


 それから、ひらがなカードを先に挙げ文分になるように並べて読ませた。

 これはしつこく手を変え品を変えなんども読ませた。

 男の子だけ。女の子だけ。1説明の子供だけ。1番後ろの子供だけ…。

 立って読む。座って読む。後に行って読む。黒板の前に行って読む。

 最後に立たせて、、3回読んだ子から私のところに来させて読ませた。

 「よろしい」と言われたら席についてまた読む。

 こうして1人15回から20回は読ませた。


「は・る・の・あ・さ…」となる子もいるが、まだ始まったばかり。焦らない。


 Hくんは、
「一列目の人読んでください」といっても(彼は3列目である)
「女の子だけ」といっても(彼は男の子である)
「1番前の子だけ」といっても(彼は2番目である)いつでも読んでいる。


「エイチ君。君の番じゃないんだよ。」と言ったら

「だって、読みたいんだもん。」と答えた。

 入学したばかりの、勉強に対する初々しい意欲。読める喜び。


 1年を担任したことのない私には出会ったことがない子どもの素晴らしい姿である。

 私もまた頑張る。



 生活科。「学校探検」
 「学校にはどんなところがあるかな?」と、いろいろ言わせていた。
 Tくんが「早く行きたいよー。」と実にタイミングよく叫んでくれたため、その後のグループ作り、探検ワッペン作りがスムーズに行った。


 ありがたい。


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本格的なお勉強

4月19日

早く勉強したくてたまらない子どもたちである。
H君などは「先生あと何分したらお勉強ですか?」と迫る。
Iくんは、休み時間になると「お絵かきする」と言っては紙を持っていき、何やら難しい「x」とか「=」(などの記号や数字の入った数式を書いては私の机上に起き、デモンストレーションをしている。


そのようにして待ちに待った最初の授業、1993年1月15日木曜日。国語の授業である。


まず机の上に教科書を出させ、両膝の上に置かせた。皆早く中を見たかってうずうずしている。十分じらしてから元のページを見せた。


「春の朝」とだけ書いてある。これで1時間。


ここでやるのは、絵を見てどんなものがあるか、何をしているのか、どんな様子なのかお話をすること。


まずどんなものがあるのかを見つけさせるために「見つけた遊び」をした。

担任が「見いつけた。見いつけた。」と言う。子どもたちが「何を見つけた。」と答える。担任が「うさぎ!」と言うとぱっとウサギを指差す、と言う具合である。

子どもたちはこの遊びをとても喜んでいるようだった。


その後「〇〇があります」とか「〇〇がいます」など言わせた。


これが彼らにとって初めての国語の授業だった。


ところで終わった後、Kくんが「今日はお勉強しなかったね。まだしないの」と言ったのには参った。

早くノートに書く「本格的な勉強」がしたいのだなと思った。
この意欲を摘まないようにしたいものだと思う。

すごい

「なぜ、今秋なのに「春の朝」なんだろうね」

「先生、今,日本は春だからだよ」

「へえ。日本とオーストラリアは季節が逆なんだね」


1人の女の子が叫んだ。

「先生知ってます!逆なんだよ!オーストラリアが晴れの時日本は雨なの!」

んとね


…知らなかった…。

これもすごい

視力検査の時、検査を受けている子どもと一緒に,待っている子どもが一斉に検査表を見ながら「上」とか「右」とか言うさしている頭を想像してください。

私はこの目で本当に見ました。


検査後、ある女の子が「先生、この辺をさしてくれたらよかったのに。」と言ってきた。

「なぜ?」

「だって私、この辺ならちゃんと覚えてたのに。」

これもすごい。


編集後記

初めての一年生は驚くことがいっぱいです。

毎日,目を皿のようにして,一年生のすごいところを見つめていました。

学級通信が笑い話のお披露目場のようでした。

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「あの人「前の人」

「先生前の人がこれを落としました。」「先生、あの人がつねる。」…


うちのクラスには「あの人」や「前の人」がいっぱいいる。


今日でちょうど入学して1週間。そろそろお友達の名前を覚えて欲しい。

だから「前の人」といったときは「あー◯◯君ね。◯◯君がどうしましたか」としつこく繰り返すようにしていた。

生活科「あくしゅをしよう」

ちょうど生活科で「あくしゅをしよう」というのをやった。まず学級の子の名前を覚えて仲良くなろうと言うわけである。


それで下のような名刺フォームを作って子どもたちに配った。

temp_Photo (編集済み)

旗のところに自分の名を大きく書き、その下の空いているところに友達の名前を集めるわけである。


ちょうどその日の朝、職員打ち合わせで担任不在の間に,応援に駆けつけてくれる6年生が、「名前を書ける人」と言って黒板に書かせているところを見た。


思いのほか書けるので驚いた。
それでも数人は書いていなかったので、名前が書けない子は名刺に自分だけの模様を決めて書かせようと思っていた。


旗に名前を書かせながら、まだ書けない子を探して歩いて驚いた。

なんと、自分の名前は1人残らず書けるのだった。


名刺の交換の仕方を演じて見せた。「交換しましょ」「交換しましょ」握手してにっこり。「〇〇です」「〇〇です」と言って名刺を交換する。

そしてお互いに名前を書きっこする。


これを,その後数人の子ども相手に繰り返し演じて見せた。その後で自由に交換させた。

それでもわからない子がいる。1年生の特権である。ここから全てが始まる。


編集後記

「文字は学校で責任をもって教えるのだ!まったく書けないというところからスタートだ」とはりきって入門期の文字指導などを一生懸命に学んでいましたが,子どもたちはすでにこれまでの生活の中で自分の字くらいは書けるようになっているのです。

そのことに改めて驚き,「なんと,自分の名前は一人残らず書けるのだった。」と書いているのです。

本の紹介

教師は,目の前の子どもをまずそのまま受け止めて,その上で必要な手だてをつくっていきます。
海外の日本人学校で,あまりにも日本の子どもとは違う海外の子どもにとまどい,受け止め,なんとか手だてを改善しながら奮闘した記録です。
私のシドニー派遣教員日記: 人生に8つの色をつける

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入学式翌日の朝

教室の入り口に座って,子どもたち待っている。教室まで来れるだろうかと心配していたが,ちゃんと上級生が手をひぱってきてくれたり,自分でたどり着いたりした。


一人,隣の学級に入り,ロッカーにランドセルや手提げ袋を閉まっていた子がいて,となりのT先生が連れてきてくださった。無理もないと思う。遠くのバス折り場からここにたどり着いただけでも立派だ。


ロッカーを教え,ランドセルを入れさせた。どの子も借りてきた猫のようにちょこんと腰かけている。

「席を立ってお友達同士でお話をしてもいいんだよ。」
えっという顔つき。
「私の耳を引っ張りに来てもいいんだよ」
「はな,つまみにきてもいいんだよ。」

ようやくほっとした空気が流れるが,まだ緊張。私に触りに来る子はまだいない。

初めての授業

初めての授業は,教科書の記名調べによって私の指示になれさせること。
「自分の棚からランドセルをもってきて机の上に置き,手を膝の上に置いていましょう」が,この子たちへの記念すべき最初の指示である。
混雑が予想されたので列ごとに行かせた。

全員が終わるのに5分。
「ランドセルを持ってくる」ことはできたが「手を膝に置く」ことができた子は女の子2名だけ。
この2名も皆が終わるまでまっていることはできなかった。

当然無理もない。

教科書だけ机の上に出させてから,
「ランドセルを自分の棚に返してきてから,手を膝の上に置いていましょう」という二つ目の指示。
今度は男の子4名,女の子3名ができた。


靴箱の使い方,並び方

靴箱の使い方,並び方をした。

並び方は手を変え品を変え,4時間目までかなりしつこくやった。

・先生のところにきて並びましょう。
・前の人と後ろの人の顔を覚えましょう。
・早く並ぶ競争をしましょう
・静かに並ぶ競争をしましょう。
・今度は赤いボールのところへ行って並びましょう。
・輪投げのある所へ行って並びましょう。

~外へ出て~ 

・滑り台にタッチして戻ってきて並びましょう。
・タイヤにタッチしてから並びましょう。
・滑り台を滑ってきてから並びましょう。

・・・・とこれだけやってもまだ並ぶ位置を覚えない子がいて,私はとても感動した。


先生,早くお勉強しようよう」とつつかれどうしの一日 
「先生,あと何分したらお勉強?」
「先生,お絵かきしたいよう」
「あ!うんちっちだ!」
「うんちっちだ!うんちっちだ!」


大きな声は全く出していないのにのどが破れそうに痛い。なぜか?それほどしゃべりまくったのでしょう。

教科書の記名,ありがとうございました。一つ一つ丁寧に書いてあり,おうちの方々の期待も伝わってきました。


編集後記

私がまだ33歳の時の学級通信です。その年,私は初めて1年生を受け持たせてもらいました。
その感動から,ほぼ毎日子どもたちの様子を通信し続けました。
この通信には,1年生という発達段階にある人たちがどのような存在であるのか学び,,そしてどのように育てていったらいいのか,ということについて考えて真摯に取り組んだあとがつづられています。
これから,しばらくの間,この「Lyustyleの教育ちゃんねる」のメインコンテンツとして,抜き書きをして掲載したいと考えています。
初めて1年生担任をされた方の参考になればと思います。
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