カテゴリ: 学びのノート

manabiai

「アクティブ・ラーニング」とありますが,『学び合い』の進め方の本です。

一斉指導がだんだん難しくなっていく今日,「誰一人としてわからない子どもをつくらない」授業を行うには,子どもたちの関係づくりをすすめ,子どもたち同士の学びをコーディネートすることが必要になってきます。

 しかし,これまでの授業のパラダイムからなかなか一歩を踏み出すことができないのもわかります。
 そんな教師の背中を押す本です。
 週イチあたりからゆるく始めてみたらいい。
 それでも子どもたちの人間関係はかわります。
 でも週イチでは学力は上がりません。そのうち,子どもも教師も「いける!」と思ったら一気に舵を切ったらいい。
 そのための始め方の方法が述べられています。

 私も『学び合い』を始めた時,この本にずいぶんお世話になりました。
 課題の作り方から細かに説明してあるからです。

 子どもがかわることは間違いありません。
 学力に結びつけるには,ここから一歩踏み出すことが必要です。









今回は「学力の経済学」からです。

「学力」の経済学
中室 牧子
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015-06-18



私たちは以前から、自尊心と学力には関係があると言うことは経験的にわかっていました。学力が高い子は自尊心が高いことが多いので、子どもの自尊心を高めようと子どもを褒めたり、成功体験を積み重ねさせたりといったことをよくやっていました。


ところが科学的根拠という視点から見ると、このふたつは相関関係はあるが、決して自尊心が高まると学力が高くなるという因果関係にあるわけではないことがわかりました。


「自尊心と学力の関係はあくまで相関関係にすぎず,因果関係は逆である。つまり学力が高いという「原因」が,自尊心が高いという「結果」をもたらしているのだ。46」


学力が上がるから自尊心があがるのだということが科学的根拠を持って示されました。

私たちがうすうす思っていたことは間違いであることがはっきりしたわけです。


最初にこれを読んだときには驚きました。しかし、科学的根拠があることであるから受け入れざるを得ません。


私たちは、子どもの学力を高めるためには他の方法を探さなければならなくなりました。


しかし、子ども達が生き抜いていくために必要な自尊心は、学力を高めれば高まるのです。それがはっきりしたということは大きな事です。「学力の向上」を目の色を変えて達成しようとしている私たちにとって、それは単に点数が上がるのだというだけでなう、その子どもの未来にかかわる大切な資質を高めることになるのだということがわかったからです。


もうひとつ、おそろしいことが述べられています。

それは、

「悪い成績を取った学生に対して自尊心を高めるような介入を行うと,悪い成績をとったという事実を反省する機会を奪うだけでなく,自分に対して根拠のない自信を持った人にしてしまう 48」


ということです。


「君はもともとできる子なんだから・・・」というようなことを言うと言うことは、負の結果を生んでしまうということです。

自尊心を高めれば学力が上がるどころか、学力を下げることもあるというのです。


子ども達に根拠のない自信を持たせるということは子ども達のためにならないばかりか帰って負の効果をもたらしてしまう。


悪い成績には、よかれと思って自信をつけさせるために励まそうとするのではなく、事実を知らせた上、具体的な改善点と努力のしかたを述べるということが必要だと言うことですね。

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3回目。「教室ツーウェイNEXT創刊2号」からです。
 

P24に、ベリー就学前教育についての紹介があります。学力の経済学で有名になった話ですね。
 

ベリー就学前教育というのは、低所得のアフリカ系米国人の3~4歳の子どもたちに,質の高い就学前教育を提供し、その後の子どもの成長について追跡調査したものです。
 

これを受けた群は,40歳の時点で,学歴,収入,持ち家率が高く,生活保護受給率も低いということがわかっています。
 

しかしIQは最初こそ受けた群の方がたかかったが,8歳くらいではほとんど差がなくなっており、このプログラムは8歳くらいまでの学力を高めるには効果的ではあったにしても、それは長続きするものではなかったこともはっきりしています。
 

では、40歳での生活の差を生んだのは何かというと、それが非認知能力の育成でした。
 

ペリー幼稚園プログラムでは,自主的,能動的な集団での学びが行われ,そこで「興味・関心」「協調性」「自制心」「社交性」などの非認知能力が育成されていたのです。
 

単に、知識を学ぶと言うことだけでなく、人とのかかわりの中で、育成される能力。これがあったかなかったかということが、40歳の時点での差になったわけで、非認知能力をたかめることはとても大切、ということがこれもよくわかります。
 

記事中,「学び合い」についての誤認識が見られるようです。
一方的な教え合いと書かれていますが、いわゆる「学び合い」は決してそうではなく、むしろ一方的に教えることをよくないこととしているものです。
その点が気になりました。

一昨年の「学力の経済学」以来,非認知能力についての言及がさまざまな場所で見られるようになりました。
私も,「学力の経済学」で非認知能力を意識した一人です。
中教審の答申でも見られるように,次の指導要領の目指す子供の学びの姿を見ると,この非認知能力の育成も視野に入れていかねばならないなと思います。

そこで,「知的生活ネットワーク」でもやっていた「一テーマ30冊マラソン」という手法で,この非認知能力をテーマにして本を読み進めてみようと思いました。

「一テーマ30冊マラソン」を始めるために考えたこと | 知的生活ネットワーク

そこで,先日懐かしさのあまり買ってきた「教室ツーウェイNEXT」の第2号から始めることにしました。

教室ツーウェイNEXT創刊2号


ちょうど,この号の特集が「”非認知能力”で激変!子どもの学習態度50例!」だったのです。
「教室のすべての子どもの学力を強靭化する非認知能力の情報を満載!」と実に魅力的なタイトルです。

非認知能力についての読書はじめなら,まず「学力の経済学」とか「やり抜く力 GRIT」あたりからだろうといわれそうですが,どちらももう何度も読み返しているので,後回しということで新鮮な方から。

小学校の現役教師が書いている2次解説的な記事が多いなかで(それもいいのですが),中には文科相補佐官でG7教育大臣会合の議長代行をされた鈴木寛東京大学大学院教授・慶応技術大学教授など,専門的な見地からの記事も多く,これから「学力の経済学」や「GRIT」を読もうかなと思っている方への興味の入り口になると思います。

非認知能力に関するさまざまな研究が示されているのはとてもありがたいのですが,教師の執筆者が専門的な研究や向山実践の紹介だけでなく,自分の教育実践を非認知能力の視点からとらえなおして価値づけてみるようなアプローチで書いた記事がもっとあれば,自分の学級でどうしたらいいのかな,ということがわかりやすかったな,と思います。

巻頭特集の「今話題の『非認知能力』って何?」は,玉川大学教職大学院教授 谷 和樹 氏の論文です。
非認知能力の種類が簡略に示され,それを育てるハイスコープ教育財団のカリキュラムの特徴が示されています。
「毎日決まったルーティーンがある」など,興味深いです。

つづく大阪大学大学院特任講師の 和久田 学 氏の「教室に直結する非認知能力とは」という論文は,非認知能力を教室で育てるためにできることととして「実行機能を育てること」を挙げられており,これは必見だと思います。
教師が高い非認知能力を要求される,というところは確かに納得しました。
子どもは教師の問題解決を固唾を飲んで見守っているのです。

これから数回にわたり,学びと感想を述べていきたいと思います。

 

このたび,本を書きました。
AmazonのKDPを利用しての出版です。
 

25年前からのパソコン通信


在外日本人学校への派遣や海外での生活
当時のメモ,手帳による記録の仕方
パソコン通信などについて書いています。

私が日本人学校に派遣されたのはもう25年も前のことになります。
帰国するときに,3年間の学びを1冊の本にまとめました。
それから20数年たった今,海外で生活をすることについての経験や,3年間記録を撮り続けたことの良さなどは,今でも通用するのではないかと思い,まとめようと思いました。

帰国の時にまとめた本から,生活編だけを切り取ったものです。
それでもかなりの分量があります。
Kindleによる読書をした場合の換算がAmazonに出ていましたが,265ページほどで,新書による書籍の少し厚い本くらいの量になりました。

以下でも紹介していただいています。

  『25年前からのパソコン通信』(Lyustyle) – Honkure

なぜ本を書こうと思ったのか

以前に出した本から20数年も経っての出版。
今更,なぜ本にしようとしたのかということについてお話します。

簡単に言えば,本記事のタイトルが主な理由です。
教師は,みんな本を書くべきだと,ずっと思ってきたのです。
年間1000時間ほどの授業実践をしながら,さまざまな経験を積み重ねてきた教師です。
その積み重ねが公になり,教師たちのデータベースとして蓄積されれば,それは教育界にとって大きな前進となると思ってきたからです。

もちろんデータベースのひとつとなるためには,Tossランドに寄稿したり,自分でサイトを作ったりするなどの方法はあります。
しかし,個々の教師が「〇〇ブックス」のように自分をきちんとブランディングして本を出すことで,自分が蓄積してきたさまざまな授業実践が形となって残り,それが他の教師の役に立てるということになるならそれは素晴らしいことではないかと思うのです。
ブログから一歩進んで,それらをまとめて本を作る。
ブログがなくても,これまでの自分の教育実践をまとめてみる。

 論文やレポートなどで教育実践をまとめた経験がある人は多いと思いますが,それとは大きくちがいます。
本を書くということは,自分の責任でちゃんとしたものをつくるということでもあり,書きっぱなしではなくたくさんの人に読んでいただくものをつくり,その価値を世に問うというものでもあります。
 教育論文などは,書くこと自体に価値がある,というようなところがあり,私の場合,それが公にされてみんなが読めるようになるというようなところまではあまり考えずに書いてきました。
 また,募集をする団体もそれを公にするのは上位の数点のみです。
 ですから,論文などは自分の実績として残るのみで,その論文が教師にとって役に立つものなのかどうかは分からないままになってしまっています。

 そういうことはとてももったいない。ぜひ,本にしてみんなが買って読めるようになったらどんなに素晴らしいかと思います。
 
 しかし,これまでは教師が本を出すなどということはとてもできないことでした。雑誌などに寄稿しているうちに編集者の目に留まって執筆依頼が来てみたり,話題になるような教育実践を生み出して有名になって執筆依頼が来たり,など,一部の人だけができることでした。
 
 ところが2012年にアマゾンでKDP(Kindle ダイレクトパブリッシング)がスタートしたことによって,だれでもアマゾンで本を売ることができるようになりました。
 通信環境とワープロさえあれば,だれでも本を出せるのです。
 そういう時代になりました。

 このサービスを利用すれば,教師は教育界の一つの財産を創り出すことができます。出版社の編集者の目に留まるような話題性のある教育実践でなくても,地道に行ってきたことに素晴らしい価値のあるものがたくさんあるはずです。

 そこで2012年にKDPが始まったときからそれを利用して本を出版することに挑戦してきました。
 一度書いた本のリニューアルは結構時間がかかります。構成をどのようにするかということについて深く考える必要があり,この間何度も中断してきましたが,この夏に再開して一気に仕上げました。

 私の場合は中断に次ぐ中断で4年もかかってしまいましたが,ゼロから書き始めていればきっとかなり早くかき上げられていたと思います。
 分量も,KDPで電子書籍として売られている本の多くは私のような分厚いものではなく,そんなにハードルの高いものではありません。数か月もかからずに一冊の本ができると思います。

 ですから,教師のみなさん,はぜひ,ご自分の持っている膨大な教育実践を本にまとめらるということの挑戦されてはいかがでしょうか。
 価値あると思うものを10テーマほど選び,ワープロでまとめれば,あとはガイドに従ってアップロードするだけです。
 これは,自分にとっても振り返りとなり,ご自身の教育に関する知見をさらに豊かにすることになると思います。
 もちろん,収入が生まれますので,公務員としては所属の監督機関に兼業の届けなど必要な許可を得る必要があると思いますので,ご確認ください。
 
 今回,自分で出版をためしてみたかったので,一度書いた本のリニューアルをしました。だから,教育に関する実践の本とはなっていません。
 しかし,これをきっかけに教育関係の本をKDPで出していくつもりです。





 

 

1958年に道徳の時間が始まって以来、50年あまり。
  • 「道徳に係る教育課程の改善等について」(2014年10月21日)
    • 2018年度から「特別の教科」開始
    • 教育課程上の位置づけは、現在の教科外の活動から「特別の教科」へ
    • 副読本から、検定教科書へ 2016年土までに検定
    • 記述式の評価が導入
  • ロード
    • 2015年 学習指導要領改訂 道徳を特別の教科と位置づける
    • 2016年 検定教科書
    • 2018年 開始

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